石川雲蝶の作品群をたっぷり鑑賞した後は、高速で車を1時間ほど走らせ、新津へ。
北方文化博物館を訪れました。
北方文化博物館は、江戸時代中期に農業で身をおこし、代を重ねて越後随一の大地主となった豪農・伊藤家の屋敷や暮らしぶりを展示した博物館。
「博物館」というと重たそうな印象ですが、言うなれば伊藤家の立派なお宅訪問とお宝見学といった感じです。
城壁のような立派な門構えをくぐると、この大藤棚がお出迎えです。
樹齢150年の大藤で、驚くのがたった一本の樹からこれだけ大きく広がっていること。
その広さは、およそ80畳分にもなるのだとか。
先日、あしかがフラワーパーク へも行きましたが、ひけをとらない見事な大藤棚です。
花も大きく香りも高く本当に見事。ちょうど満開で今週末あたりまで楽しめそう。
一角には仏様の姿も。5代丈吉が手植えした樹齢350年の赤松が枯れてしまった際、8代丈吉がその松で大日如来像を彫り、くりぬいて祠にしたのだそう。
いよいよお宅訪問です。
母屋の広さはなんと1500坪!中には65もの部屋があるのだそうです。
中に入るとまず目をひくのが大きな台所。広さは70坪もあります。
L字型で調理器具が配され、開閉できるガラス窓がついている形は、現代のオープンキッチンに通じる雰囲気がありますね。
館内には、掛け軸や焼き物など多くの収蔵品が展示されており、中には貴重なトキのはく製も展示されていました。
主屋二階の天井を見上げると、何層にも重なった梁と木組みがまた見事。
そして、北方文化博物館のもうひとつの見どころが、つくりこまれた日本庭園です。
京都銀閣寺ゆかりの庭師・田中泰阿弥によって、5年がかりでつくられたそう。
真ん中に池を配した回遊式庭園ですが、大広間の座敷から鑑賞します。
石組みと広がる苔の緑、今の時期は新緑の青もみじも相まって、美しく見事な景色を楽しむことができます。
また、中庭のつくりこみも素晴らしいです。
ちなみに、こちらの御影石は伊藤家が長年積み上げてきた徳により、強い「気」を発するパワースポットらしいです。少しでもご利益にあやかりたいところ。
- 滞在時間: 約1時間
- 入園料: 大人800円
- JAF割引あり。提示で100円引き。ただし、GWは除外。
13時過ぎに訪問。
駐車場は400台とたっぷり確保されていますが、博物館脇の駐車場は満車状態で、出た車と入れ替わりで入れました。無料です。
越後随一の豪農・伊藤家七代の大邸宅と暮らしぶりを知ることのできる博物館です。
国の登録有形文化財に指定。
写真は2024年5月3日現在の様子です。
およそ80畳にも広がる大藤棚は花も大きく香りも豊か、ちょうど見頃で、今週末くらいまでといったところ。
また、豪壮堅牢な建築、京都譲りのつくりこまれた日本庭園もこれまた素晴らしく、苔と青紅葉が映え、池や滝を配した庭園は、これから夏に涼を求めたり、紅葉の時期など四季を通じて楽しめそうです。
上質なものは、やっぱり永代の富豪に見せていただくに限ります。
オススメです!
北方文化博物館
★★★★★